芸術的経営者を追求する、江幡公認会計士税理士事務所の心のブログ

人間の喜びとストローク

 人間の喜びは、「人に必要とされること」だと考えている。また、あまりにも意識的にやるといやらしくなるが、「人に必要とされる」状態になるためには、人とのストロークを通じて、自分というものを適切に開示し、人に尽くすことであると考えている。これらの点を仕事に当てはめるならば、「可能な限りお客さんに尽くし、適正な報酬を頂く」ことが基本であろう。ただし、適切な報酬は、金銭的報酬のみでは測れない面がある。仮に自分の想定している金銭的報酬に満たないとしても、チャンス、自らの能力向上、お客さんとの関係を構築することによる無形の利益、その他、「この仕事は自分にとって引き受けるべきものだ」という確信が自分の中で得られれば、その仕事は引き受ければよい。独立開業している以上、基本的には自分が判断し、リスクと経済的便益は自分が享受するわけだから、他人がどうこう言う話ではない。その意味で、自分が自分自身のことをどれだけ信じているかが重要となってくる。
 なお、金銭的報酬は適正水準であることが重要である。自分のした仕事に比して過大な報酬は、お客さんと後々トラブルになる可能性がある。「あれだけ払ったのだから・・・」となる可能性がある。一方で、自分のした仕事に対して過小な報酬は、自分をダメにする。自分不信を招く。したがって、報酬決定は毎回悩む。
 さて、冒頭の、「人間の喜び」に関して、最近心がけているのは、人により興味を持ち、よりストロークをすることだ。また、自分が得るもの以上のものを差し出すことに努めているつもりだ。こういうことを考えていると、新人の頃を思い出す。新人の頃、元の職場のN代表社員という偉い上司がおり、今でも記憶している言葉がある。会食の席でN代表社員がいきなり相撲の番付を取り出し、「俺はココ(横綱)、お前はココ(一番下の小さい文字のところ)。おまえはまだまだこれからなのだから、一喜一憂せず、とにかく一生懸命働け。」と。また、当時独立性について今ほどうるさくない頃、N代表社員を筆頭に、あるクライアントの保養施設に行った。このクライアントは、IPO以前からN代表社員が関与していた会社であり、確かに、N代表社員の貢献は大きい。N代表社員は、「この別荘は俺のものだと思っている。」というのだ。つまり、「会計士だけの稼ぎではこんな別荘を持つことは厳しいが、別に自分自身が持っている必要はない。一生懸命仕事して、その仕事を通じてこのような機会が得られるならば、それでいいではないか。」ということだ。N代表社員は、時に自らの生い立ちを話して下さったが、結構大変な努力をされている方だ。なるほどと思った。
 そういえば、私の母親もある意味同様で、欲がない。他人に対してではなく、自分自身に対するプライドは持っていて、それを冒涜されそうになると守ろうとするくらいで、他人に対して求めることはしない。そんな母親を見ていると、人が寄ってくるのがわかる。母親はよく人の話を聞くので、相手にとっては、話をよく聞いてくれる有難い存在なのだそうだ。
 人は、私欲のためではなく相手のために一生懸命尽くしてくれた人のことは、一生忘れない。
 小学生の時に一人で祖母宅に向かう電車の中で、前に座っていたおばさんが飴をくれたこと。遠足の時に水筒を落として水筒の中のガラスが粉々になって悲しい思いをしている時、なぜか母親が学校に迎えに来てくれていたこと。なぜだかわからないが、中学校の歴史の先生が「おまえは根性がある」と、向学心を駆り立ててくれたこと。高校の担任が、自分の全人格を分かってくれていて、「おまえは推薦入学で大学に行くな。自分の力で行け。」とか、「お前はお前らしくいつも悩んでいるのがよい。」とか言ってくれたこと。公認会計士第二次試験に合格した日に、在京の地元の友人たちが急遽集まって祝ってくれたこと。私は出会いには恵まれてきたと、つくづく思う。多くの人に助けられてきている。
 「自分が、自分が」ではなく、いかに人を思いやるか。しかし、一つ忘れていはいけないのは、凡人は、自分自身がある程度満たされていない限り、人に尽くすことはできない。自分自身が満たされていないのに人にに尽くすことをしたとしても、長続きはしない。だから、自分を信じて自分で自分自身に充電したり、時には人からもらったりしながら充電し、その上で人に尽くすことが重要だ。なお、人からもらうのは、なにも、直接何かをもらわなくてもよい。人とのストロークを通じて、自分の中で、なにかじんわりくるようなものに気付けばよい。
 今日は午前中にJICPAで報告会、午後はT線のK駅にある外国人クライアントを訪問したのだが、この仕事をしていると、上記のようなことをしばしば考える。この仕事はいい仕事かもしれない。

EBJ

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