芸術的経営者を追求する、江幡公認会計士税理士事務所の心のブログ

『本音ベース』と仕事と税務

 昨晩、現在一緒に仕事をしている先輩会計士I氏と横浜の龍昧で食事をした。私は大学生の時に横浜に住んでおり、横浜TACに通っていたものだから、龍昧にはかなりお世話になった。安くてうまい店で、現在でも満足できる店である。昼も夜も客が途切れることがなく、老若男女問わず、一人で来る客が多いのが特徴だ。
 さて、I会計士は中国の上海に駐在経験のある中国通であり、中華料理にはうるさい。そのI会計士が、龍昧をこう言い表わしている。「本音ベース」の店。私の中では、「本音ベース」という言葉がキーワードとなった。つまりどういうことかというと、こうだ。一番端的な例としては、若い女性が一人で来て、ビールと餃子とニラレバ定食をおいしそうにぺろりと食べる、そんな店なのだ。結局のところ、ほんとに気を許し、自分がリラックスして、食べて満足という店とは、こういうことなのだということ。形振り構わずとまではいかないが、洒落た店ですかして食事をするという行為は、たまにはいいけれども、人間が、心から、本音で望むものではないのだろう。
 この「本音ベース」が、ここまで来たか、という例を今朝発見した。東北地方の零細スーパーで、おはぎがバカ売れしているというのだ。しかも、地元のみならず沖縄以外の地方から客が来ると言う。彼岸の時期には2万個もうれるという。1個105円。ちなみに、年商6億円という。本音ベースもここまで来たかと驚いた。おはぎですよ、おはぎ。誰にでも作れるおはぎ。そのおはぎで勝負している人がいるのだ。ある意味、目から鱗であった。勝負するものは何でもいい。シンプルなものでも、真剣にやれば勝負できるのだ。ちなみに、そのスーパーでは、レシピなしの勘で作られた手作りのお惣菜も人気があるという。すばらしい。
 ところで、税務というのは、まだまだ勉強する必要があるのだが、そうした人間の本音を良く分かっているような気がする。政策的な側面が強いが、それは強弱の問題であって、まあ、良く分かっているような気がする。例えば、会社を設立してから商売が軌道に乗るまでの出来事を簡単に列挙すると、設立費用、役員(自分)に給料を払う、人を雇う(=人に給料を払う)、車などを購入する(ただし、プライベートとしても使用するのが実態だろう)などなど。これらの出来事にはすべて、税務の規定がある。つまり、税を取こぼさないような仕組みになっている。一番端的なのは、思った以上に利益が出た場合、「税金で払うよりは・・・。」という思考になる人が多い。もちろん「払うべきものは払う。」という方もいるが、そこは「本音ベース」のはなしだろうか。
 いずれにせよ、細かい税法の規定も重要だが、そういった人間の本音と、税法の立法趣旨をおさえておきたいものだ。

EBJ

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