芸術的経営者を追求する、江幡公認会計士税理士事務所の心のブログ

口論(ビジネス上)

 前述「市場」で登場したHangさんの名誉のために、彼女の輝かしい一面も書いておこう。彼女は結婚し、二児の母である。毎朝5時に起き、美貌を保つためのウォーキングをしてから、子供のために食事を作り、子供を学校に送り届け、7:30にはオフィスに到着する(始業は8:00)。時には19:00過ぎまで働き、帰宅する。頑張り屋である。クライアントを訪問する前日に、Hangさんに、「明朝は何時にオフィスを出る?」と聞くと、必ず、「It’s up to you. I come to the office untill 7:30 every morning.」という返答が返ってくる。私は、「たしかに。」と答えるほかない。夜遅くまで仕事をした翌日は、私は8:00までに出社しないことがある。ごもっともである。また、彼女は面倒見がよく、Cafe su da(ベトナム風アイスコーヒー)を入れてくれたり、果物をむいてくれたりする、優しい面もある。ただし、彼女に余裕がある時に限る。
 さて、そんな彼女とも、仕事上の付き合いは早いもので1年。英語でコミュニケーションをとるのだが、お互いに英語は母国語でないため、当初は60%くらいしか理解できなかった。彼女は「Tax」のことを「タ」と発音するのだが、当初はそれすら分からなかった。そのような状況であっても、仕事上話をしなければ先に進まないので、なんとか話をしていくうちに、今では、英語で口論(もちろん、ビジネス上の)をするまでになった。現在はベトナムも繁忙期であるため、忙しい。昨日も、あるクライアントの問題をめぐって、二人とも熱くなり、口論をした。彼女は譲らない。私は、仕事を統括する立場上、すべてを容認するわけにはいかない。そんな中で私がふと、「しかしながら、俺たちも口論をするまでになったんだね。お互いに英語も上達したのかな。」と言うと、彼女も、「たしかに。上達したね。」と言って、お互いに笑った。
 海外で働くということには、日本と「同じ面」と「違う面」がある。どちらか一方だけをクローズアップしても先には進まないし深みが出ない。私は、両者をバランスよく認識しているつもりだが、大変なことは多い。しかし、上記のように、口論をしつつも笑える状況は、ある意味、「やりがい」があるということだ。こういうことを日々確認しながら、自分の行き先を、日々「選択」している。

EBJ

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