2011年2月2日
預貯金の利子(個人所得税)
利子所得は、10種類ある所得の1つで、「預貯金(銀行預金・郵便貯金)・債権・公社債」などから得た利子(所得)のことである。基本的に必要経費などの控除がないため、「利子所得=収入金額」となり、この金額が課税所得となる。一般的に、利子所得は、「源泉分離課税」の方式で税金が徴収されるので、確定申告の必要はない。つまり、すでに税金が差し引かれた形で利子が支払われている。利子所得の税率は一律20%(所得税15%・住民税5%)」となっている。
ただし、気をつけなければならないのは、まず、「収入金額=手取金額÷80%」という点である。預金通帳に印字されている金額は手取金額なので、その金額を80%で割り返して収入金額を把握する必要がある。また、「事業用の運転資金に係る預金利子は利子所得となるが、源泉分離課税されているので、確定申告する必要はない。」ということが分かっていたとしても、会計処理において、
(借)預金 80(貸)受取利息 100
源泉税 20
(借)預金 80(貸)雑収入 100
源泉税 20
などと仕訳をきってしまうと、事業所得として計上されることになってしまい、源泉分離課税されている利子について再度課税されることになるし、さらに、源泉分離課税により徴収された税額は税額控除の対象にならない。したがって、会計処理については、例えば、
(借)預金 80(貸)事業主借 80
といった仕訳をきることになると考えられる。