2011年3月7日
流儀~なるべく愚直~
私の仕事の流儀は、「なるべく愚直」である。「手を抜く」ことは言語道断、「端折る」や「簡略化する」もなるべくしないようにしている。
そもそも、「会計」とは、説明責任を果たすためのツールである。個人で商売されている方や小さいながらも会社経営をされている方にとって必ず存在する利害関係者は、「税務当局」である。「税務調査」の際には、「税務当局」に対して、適切に「説明」をする必要がある。そして、適切に説明するためには、会計の検証可能性が高い方がよい。検証可能性が高いというのは、第三者が会計帳簿や原始証憑等を見る際に、「分かりやすい」ということである。税務調査官も人間である。彼らにいかに気持ちよく見てもらうかが、税務調査を効率的に遂行する上で非常に重要である。
この点、私は、領収書を紙に張ったり、紙に2穴を開けたり、インデックスを付けたり、という基本動作に関しても、納得のいくまでやることにしている。紙の端っこがずれていたり、領収書が見にくかったりするようでは、その先の仕事もおそらく何かあるに違いないと考えている。結局のところ、仕事の出来はその人間の基本動作の延長上にあると考えている。ただ単に「愚直」というのでは融通が利かないが、「なるべく愚直」を心がけていれば、「愚直」から離れることはない。