2024年9月6日
井原西鶴「世間胸算用」より
古今東西、人間は進歩せず、本質は変わらず。
(黄色マーカー部分)
父母が朝夕に仰ったのは『他のこと(に見向きすること)なく、書道に精神を注ぎなさい。(それが)成人してあなたのためになる秘訣だ』との言葉を、無駄にはなりにくい(はずだ)と、明け暮れ読み書きに(手中して)油断することが無く、後には兄弟子達よりも(字が)優れて、達筆になった。この(親の言葉通り、書道に専念する)心からは、将来裕福になることが見えた。その詳しい理由は、一心に家業に打ち込む(はず)だからだ。一般的に、親の代から続いている家業の他に、商売を替えて続いているのは稀である。