2010年1月9日
パシュミナ
パシュミナは、カシミヤ繊維等を糸に紡ぎ、織り上げた、ネパールやインドで伝統的に作られてきたストール・ショールおよびその素材を指す。非常に弱い糸から生地を織り上げるため、インドでは「DIVINE WEAVE」と言われている。 ネパールでは経糸にシルクを使用して織り上げたストールが主になる。一般的なカシミヤストールは、カシミヤ繊維の持つ縮充性を利用してフェルト化させた生地を用いるが、パシュミナストールは、カシミヤ繊維を糸に紡ぎ、織り上げるため、生地が薄く、光沢感が高いと言う特徴を持つ。 近年、そのファッション性の高さから、欧米や日本等の先進国を中心に流行したため、それらの地域ではパシュミナという名称が一般化された。パシュミナストールの素材もまたパシュミナと呼ばれる。伝統的には、パシュミナはヒマラヤ山脈に生息するカシミヤ山羊およびその近似種から採取された素材とされているが、明確な定義が無いため、現在はパシュミナ素材からではないものまでパシュミナとして販売されていることがある。
「パシュミナ」とは、「パシュミナ・ストール」のことを指すとこれまで認識していたが、上記のように、「パシュミナ素材」のことも意味するということは知らなかった。サイゴンのある店であるパシュミナを手に取り、「この素材はなに?」と店員に質問したところ、「パシュミナ!」と言うから、「う~ん、話がかみ合っていないなあ。」と思ったものだが、そういうことだったのだ。
そういえば、大学生の頃、冬に開催された合コンで、誇らしげにパシュミナを自慢している女性がいたのを記憶しているが、彼女は今頃、どこで何をしているのだろうか。